洋梨のような爽やかさと柑橘のニュアンス 新保・五百万石

契約農家とともに、土地とお米の個性を醸す「Farmer」シリーズ。同じ蔵、同じ造り手が醸しながらも、米を育てた人と風土の違いによって、酒の表情は大きく変わります。契約農家の方々との関わりを通して、土地と農家の個性を感じられる日本酒を生み出すことがこのシリーズの目的です。
今シリーズは地元長岡から、個性の異なる2つの圃場・酒米を使って醸し出したお酒です。

空と山が一直線になる風光明媚な長岡市三島・新保の地で、TSUBAMEFARMが育てた五百万石。東京農業大学を卒業し、地元に戻った8代目が、冬の間葵酒造のチームに加わり、自ら育てた米を自らの手で醸した一本です。

洋梨のような爽やかで青い香りの奥にある柚子のような柑橘のニュアンス。口に含むと軽やかに広がる優しいお米の甘みと旨みに、心地よいミネラル。

8代目燕潤輝さんの顔が思い浮かぶような明るいトーンの味わいです。
醸造の過程を通して感じたのは、TSUBAMEFARMの五百万石はとても元気で活発、どこか自由奔放な印象を持ったお米だということです。吸水も調子よく進み、しっかり吸っていると思ったら、急にさらに吸ってみたりと、こちらの想定を少し超えてくる場面もありました。正直なところ、扱う上で少し苦労する部分もありましたが、麹造りに入ると温度をどんどん引き上げてくれ、結果としてとても力のある、しっかりとした麹ができたと感じています。

発酵の様子を振り返ると、終始、育て手である燕さんの姿が頭に浮かぶような醪だったように思います。一見すると明るく、勢いのある発酵ですが、その奥にはしっかりと考えられた芯があり、陽のようでいて、どこか陰も感じさせる。そのバランスこそが燕さんの魅力であり、お酒にもきちんとその「節」が表れています。香りはしっかりと立ち、口に含むとまず明るい香りとともに甘みが広がります。第一印象はとても開けていて、どこか陽の気配を感じさせるのですが、飲み進めるにつれて、渋味と旨みが静かに余韻として残り、気づけば少しずつ内側へと引き込まれていく。そんな、陽から陰へと自然に移ろう表情を持った一本になったと感じています。

  • 商品名:MaisonAoiFarmer 新保(しんぼ)五百万石
  • 容量:720ml 価格:6,600円(税込)
  • 原料米・酵母:長岡市産五百万石・K601
  • 火入れ有無:有
  • アルコール度数:13度